代表インタビュー
テクノロジーと「人」をつなげる。
世界のツールを、現場で使える力に変える。
ストリートスマートは、 Google Workspace やCanvaをはじめとした世界最先端のテクノロジーを「現場で本当に使える状態」にしてきました。
創業から十数年。日本国内にとどまらず、シンガポールやタイにもアジア開拓のグローバル拠点を構え、働き方改革からAI活用へとテーマを広げながら、変わらず大切にしてきたのは「テクノロジーと人をつなげる」という一点でした。
「自分たちで運用できないシステム」への
違和感が、すべての原点
ストリートスマートの事業の原点を教えてください。
もともと私は自動車業界で、80店舗ほどの店舗運営に携わっていました。当時、店舗管理システムの開発に約4,000万円をかけて、その後のメンテナンス費用も合わせると、トータルで6,000万円規模の投資をしていたんです。
ところが、いざ運用しようとすると、自分たちでは使いこなせない。何かを変えたいと思っても、開発会社にお願いしないと変えられない。「これは本当にITを活用していると言えるんだろうか」という違和感がずっとありました。
そんなときに、 Google Workspace(当時の Google Apps)に出会ったんです。同じようなことを実現するシステムが、知り合いに頼んで250万円ほどで構築できてしまった。「”無理だ”と思っていたことが、低コストで実現できる時代になっている」と気づいた瞬間でした。
そこから、ご自身で導入支援を始められたんですね。
はい。テクノロジーと、それを使う企業の現場には、大きなギャップがある。そのギャップを埋める役割が必要だと感じて、導入支援を始めました。最初の2年ほどは、ほぼ一人で営業に回りながら、 Google Workspace のリセラーとして広めていた時期です。ありがたいことに Google からセールスアワードもいただき、「このビジネスは社会に必要とされている」という手応えが少しずつ生まれていきました。そこから2014年に Google の日本で初のトレーニングパートナーに認定されてクライアントが広がりました。
パートナーシップと、
「導入支援」から「定着支援」への進化
そこからどう事業を広げていったのでしょうか。
一人で広げていくことには、当然限界がありました。転機になったのは、大手通信事業者をはじめとする販売パートナーとのつながりが生まれたことです。パートナー側が販売を担い、私たちは「導入後、現場でどう使いこなしてもらうか」という支援に集中する。役割分担ができたことで、私たち単独ではリーチできなかった大手企業の案件にも関わらせていただけるようになりました。
おかげさまで、中小企業から大手企業まで、業種や企業規模を超えて支援実績を積み重ねることができ、世界中の Google のパートナーが参加するパートナーイベントでSMB of the Yearとして評価もいただきました。
ご支援の中身も、徐々に変わっていったそうですね。
当時は、 Google 以外のプロダクトの支援もしていて、「導入の入り口」になるマニュアル制作を行っていました。ただ、そこだけだとお客様に本質的な価値を届けにくいと感じて、一度マニュアル制作のみの業務は撤退した経緯があります。
そのときに気づいたのは、私たちが本当に価値を出せるのは、機能が豊富で、組織のコラボレーションを根本から変えうるプラットフォームだということでした。単に「使い方を教える」のではなく、「組織として、どう生産性を上げるか」というところまで一緒に考える。そこに振り切ってからは、提供できる価値が一段引き上がったと思っています。
クラウド活用の本質は
「時間と場所の制約を外す」こと
働き方改革の支援にも、早くから取り組まれていました。
「クラウドを使うとは、つまり何なのか」と、ずっと考え続けていたんです。教える立場でもありますから、答えを持っておきたかった。そこでたどり着いたのが、「時間と場所の制約を外す」という定義でした。
時間と場所の制約を外すことは、イコール、働き方を変えることです。これまで働けなかった人が働けるようになる。離れていても協働できる。子育てや介護をしながらでも、自分のキャリアを続けられる。私たち自身も社内で実験的に取り組みながら、その手応えを社会にも広げていきたいと考えるようになりました。
そこから、企業だけでなく教育分野にも領域を広げていったんですね。
はい。働き方が変わる仕組みは、学び方も変えられるはずだと考えました。先生方の働き方を変えるだけでなく、その先にいる子どもたちの学びの環境にも、テクノロジーは大きな価値を発揮できる。社会的なインパクトの幅を広げていきたい、という思いから、教育分野への展開を始めています。
2017年には Google for Education Professional Development Partner にも認定され、利活用の基盤となる構築もお手伝いできるようになり、少しずつですが、教育現場におけるDXといえばストリートスマートという立ち位置に近づけていると思います。
ツール・制度・カルチャー。
組織を変える「3つの柱」
導入支援を続ける中で、見えてきたことはありますか。
一番大きな気づきは、「ツールを変えるだけでは、働き方は変わらない」ということです。
どれだけ良いツールを入れても、制度が古いままだったり、上司が「テレワークなんてとんでもない」という空気を出していたら、現場では使われない。ツール・制度・カルチャー、この3つが揃わないと、本当の意味での組織変革にはならないと痛感しました。
そこから私たちのサービスは、単なるIT導入から、組織変革のコンサルティングへと領域を深めてきました。研修、活用設計、業務改善、カスタマーサクセス、そしてAI活用支援。お客様の組織にテクノロジーを根付かせる、というところまでが私たちの役割だと考えています。
最近は「人的資本経営」というテーマにも力を入れていますね。
日本の産業構造を見たときに、生産性の低さは大きな課題です。生産性を上げるためには、新しい産業を生み出していくしかない。そして産業を生み出すのは、結局のところ「人」です。人の価値をどれだけ最大化できるかが、これからの経営の中心になると考えています。これは日本に限らず、私たちが拠点を構えるアジア各国にも共通するテーマだと感じています。
私たちが目指しているのは、お金儲けではなく、事業活動を通じて社会変革に寄与することです。テクノロジーを通じて、働き方を変え、ビジネスモデルを変え、最終的には産業構造そのものを変えていく。社会的インパクトのあること以外は、基本的にやりたくないんです。
AI時代に、人間は「使いこなす側」へ。
プロダクトマネジメントへのシフト
AIの広がりは、ストリートスマートの事業にどう影響していますか。
これまでは、人間がツールを学び、自分の能力を拡張していく時代でした。これからは、AIが能力の拡張を担ってくれるので、人間はその一段上に立つことになります。プロデュースやマネジメントを通じて、AIを使いこなす側へとシフトしていく。私たちはこの変化を「プロダクトマネジメントへの移行」と捉えています。
Google Workspace や Canva をはじめ、世界中で進化する複数のプロダクトが連携し合う時代になりました。生成AIを中心としたエンタープライズ向けの新しいツール群も次々と登場し、私たちのパートナーシップも広がっています。一つのアプリケーションを覚えれば良かった時代から、複数のプロダクト間をつなぎ、データを行き来させながら成果を最短距離で出していく時代へと変わっています。
ここで本当に大事なのは、AIを「使えないままにしない」ことです。誰かは早く使いこなせるけれど、誰かは置いていかれてしまう。その格差が、企業の中でも、社会全体でも広がりかねない。私たちの役割は、その人たちの背中を押し、隣を歩き、必要なときには手を取って、新しい環境で力を発揮できる状態をつくることだと思っています。
変化が激しい時代ほど、
「物事の本質」を見失わない
時代の変化が激しい中で、大事にされている考え方はありますか。
以前、養老孟司先生のご著書を読んだとき、強く印象に残った話がありました。「変化が激しい、と私たちはよく言うけれど、それは私たちが情報を得られる環境にいるから、変化が激しく見えているだけで、世の中そのものが急に変わっているわけではない」という主旨の指摘です。
これは、テクノロジーを扱う私たちにとっても、大事な視点だと思っています。テクノロジーは、使いこなしてこそ意味がある。テクノロジーがどれだけ進化しても、それを受け取る人の「ものの見方」が変わらなければ、本質的には何も変わらない。
だからこそ私は、最先端と現場の間に立って、「テクノロジーの翻訳家」であり続けたいと考えています。先を見ている人たちの視点を、いま現場で頑張っている人たちが使える形にして届ける。少し前を歩きながら、振り返って手を伸ばす。そういう仕事が、いまの時代にこそ必要だと思っています。
これからのストリートスマート
最後に、これからのストリートスマートが目指す姿を教えてください。
AIが世の中に普及していくと、変化についていけない企業が増える、と考えています 。裏を返せば、私たちの支援を必要としてくださる方は、これからますます増えていく。私たちにとってはチャンスしかない、と心から思っています。
ありがたいことに、直近は過去最高の売上を更新しました。ただ、私たちは数字そのものを目的にはしていません。得られた利益は、メンバーの成長や、新しい事業への投資に使っていく。日本で培ってきた支援のモデルを、すでに進出しているシンガポール・タイをはじめとしたアジア、そしてその先の世界にも広げていきたいと考えています。
ストリートスマートは、「企業や社会が、テクノロジーを使いこなせる世界をつくる会社」です。世界最先端のテクノロジーと、それを必要とする現場をつなぎ、人の可能性を最大化する。その役割に、これからも本気で挑み続けていきます。