停滞を破るDX戦略:レガシーシステムからの脱却で実現する柔軟なワークスタイル(東海カーボン株式会社)
炭素製品の総合メーカーの老舗として知られる東海カーボン株式会社。長年使い続けてきたグループウェアからの脱却は、同社にとって大きな変革の第一歩となりました。
今回は、ストリートスマートが「方針・計画策定支援」と「導入支援」「ユーザートレーニング」を行い、Google Workspace の環境を活かしてデジタル変革に挑まれた東海カーボン様にインタビューを実施しました。同社がどのようにしてデジタルトランスフォーメーションを推進したのか、その舞台裏に迫ります。
東海カーボン株式会社のご紹介

東海カーボン株式会社
〒107-8636 東京都港区北青山1丁目2番3号
https://www.tokaicarbon.co.jp/
1918年の創業以来、炭素素材のリーディングカンパニーとして、人々の豊かな暮らしと産業の発展に貢献。現在は、カーボンブラック、ファインカーボン、電気製鋼炉用黒鉛電極など、多岐にわたる高品質な炭素製品を提供し、世界中の産業を支えています。
今回は、DX推進におけるキーパーソンとして、ICT 推進部の坪田様、竹山様にお話を伺いました。
<プロフィール>
ICT 推進部
坪田和久 氏
竹山愛理 氏
旧来のシステムが限界に直面。DX推進が不可避な状況へ
ー Google Workspace 導入の検討を始められた背景と、具体的な目的についてお聞かせください。
竹山氏: 長年使用してきた Notes は、開発から30年も経過していたため、バージョンアップのたびに大きな影響が出ることが慢性的な問題で、システムの維持管理が大変でした。
また、最近のクラウドファーストの潮流に Notes は全く追いつけていませんでした。スマホやタブレットからの利用、リモートワークへの対応もままならない状況で、これでは働き方改革やデジタルシフトを進められないと痛感していました。
坪田氏: そうした状況から、当社ではより柔軟で現代的な環境を整備しようと、Google Workspace の導入を決めました。これは、単なるシステムの入れ替えではなく、全社的な働き方と文化を変えるための重要な一歩だと考えています。

スムーズな移行と意識改革を両立。ストリートスマート社の伴走支援
ー Google Workspace の導入にあたり、「方針・計画策定支援」から「導入支援」、「ユーザートレーニング」、「Master Program(動画学習コンテンツ)」と多くのご支援をご提供させていただきましたが、ストリートスマートからの支援はどのような内容でしたか?また、その効果はいかがでしたでしょうか?
坪田氏:システム環境の構築が最初のステップでしたが、「導入支援」として、スムーズな移行を実施・技術的にサポートしていただきました。
特に、エンジニアの方々の知見が豊富で、Google Workspace 導入とは別で進んでいた統合認証 ID プロジェクトから派生する、連携や認証に関わる課題など、他では質問自体を受け付けてもらえないような複合課題に対しても迅速かつ丁寧に対応いただけたことが、非常に助かりました。
竹山氏: ユーザー向けの教育やローンチ後の活用促進も、私たちにとって大きな課題でした。
グループウェアの入れ替えは、トップダウンだけではなかなか浸透しないと考えており、社員一人ひとりが「なぜ新しいツールが必要なのか」「使うことで業務がどう便利になるのか」を理解してくれることが重要だと考えていました。加えて、当社は全国に工場や研究所があり、各拠点向けに現地で丁寧に説明していくことを決めていましたので、現地訪問もご一緒いただけるパートナーを探していました。
坪田氏:結果的に、Google Workspace 導入の目的整理・活用方針の策定から、全拠点の全従業員を対象とした導入研修会まで一貫して実施可能なストリートスマート社と共に Google Workspace 導入を進めていきました。
まず、「方針・計画策定支援」では実務担当者を交えて、Google Workspace が社内でどのように活用できるかについて、業務シーンを具体的に検討し、活用のメリットを明確にしていただいたり、最適な利用方法のガイドやトレーニング計画を準備していただいたりと、手厚く支援いただきました。

▲Google Workspace を活用することで実現できる業務シーンを
ストリートスマートが視覚化して紹介
竹山氏: 「ユーザートレーニング」では、単なる操作説明に留まらず、導入の目的やメリットも丁寧に伝えていただいたことで、社員の納得感が格段に高まったと感じています。

▲組織への浸透を目的とした教育計画
竹山氏:さらにこの「ユーザートレーニング」では、一般ユーザー向けだけでなく、役員や部長以上の役職者向けにも説明会を実施し、全社的に活用を推進しました。社内ポータルサイトに「Master Program」へのリンクを置いて、いつでも学べる環境を整えたのも、自律的な学習を促す上で効果的でしたね。
コミュニケーション変革から採用強化まで。Google Workspace がもたらす具体的成果
ー Google Workspace 導入後、業務や働き方、企業文化にどのような変化がありましたか?具体的なエピソードや成果があればお聞かせください。
坪田氏: 最も大きな変化は、コミュニケーションと情報共有が格段にスムーズになったことですね。以前は「このファイルが最新版か?」と悩むこともありましたが、Gmail や Google Chat で必要な人にダイレクトに連絡でき、Googleドライブや Google スプレッドシートでリアルタイムの共同編集が当たり前になったことで、そういった問題が少なくなりました。転記作業も不要になり、ミスも減りました。
竹山氏: 働き方も大きく変わりました。Google Meet の活用で、場所や時間にとらわれない会議が日常的に行えるようになり、出張にかかる時間や経費の削減に一役買っています。
地方拠点や出張中の社員も気軽に会議に参加できるようになったのは大きいです。
坪田氏: その他の業務効率化の例では、Google フォームでお客様からの要望や社内アンケートを効率的に集計できるようになりました。また、Google スプレッドシートで集計業務やデータ分析が簡易化され、傾向や改善点を素早く可視化できるようになったことで、データに基づいた意思決定や迅速な改善が可能になっています。
竹山氏: 採用活動にも良い影響が出ました。Meet を使ったオンライン会社説明会でも、Google Workspace を使っていることや、それによって実現可能な在宅勤務制度などを含めた「多様な働き方(自社において個々の希望や適性に合わせた多様な働き方が選択できること)」を発信できるようになりました。これは以前には考えられなかったことです。
坪田氏: ユーザーの意識も変化しましたね。以前は「これまで使っていたツール と同じようにするには?」という質問が多かったのですが、今では「業務改善のためにこんなことできないか?」といった能動的な質問が増えました。「会社を変えるんだ」という声も上がり、以前のような「あれダメ、これダメ、こうやれ」という雰囲気から、「調べてやってみろ」という主体的な文化へと変わりつつあります。Google Chat での連絡が増えるなど、ICT推進の効果が明確に現れています。
進化し続けるツールと共に。未来を見据えた Google Workspace 活用戦略
ー 今後の Google Workspace 活用方針と展望についてお聞かせください。
坪田氏: 現在、全社的に活用は進んでいますが、ユーザー間での習熟度に差があるのも事実です。今後は、Google Workspace をより積極的に活用している社員のナレッジを共有するなどして、全体のスキル底上げを図っていきたいと考えています。並行して、将来的には、グループ全体への導入拡大も視野に入れています。
竹山氏: Google Workspace を単一のツールとして使うだけでなく、複数のツールと連携させて、さらなる業務効率化や新しい働き方を模索していく方針です。
実際に、Google Workspace を活用することで、先述した「多様な働き方」の推進により、社員が安心して当社で活躍し続けられるための職場環境整備(在宅勤務制度の拡充)は進んでいます。
▲活用イメージを持っていただくための説明資料
坪田氏: Google Workspace は常にアップデートされ、新しい機能が追加される点が本当に魅力的だと感じています。
特に、Gemini のような生成AI機能については、情報の要約や文章作成支援など、様々な業務で活用できる可能性を感じており、情報収集や検証を進めていきたいと考えています。AIがもたらす次なる変革にも、積極的に対応していくつもりです。
今回は、Google Workspace の導入を通じて、レガシーシステムからの脱却と働き方改革を成功させた東海カーボン様にお話を伺いました。本日のお話を参考に、より良いサービスをご提供できるよう努めてまいります。