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【活用事例】株式会社荏原製作所様/”必要なデータを自分たちで可視化できる”環境がDXを推進する。人財戦略を立て直し、組織と個人、両方の可能性を広げたい

【活用事例】株式会社荏原製作所様/”必要なデータを自分たちで可視化できる”環境がDXを推進する。人財戦略を立て直し、組織と個人、両方の可能性を広げたい

人的資本経営の実現が求められる中で、どのように人財情報の可視化を行えばよいのか、悩まれている企業も多いのではないでしょうか?

今回は、ストリートスマートが導入支援を行い、Google Workspace の環境を活かして課題解決に取り組まれた、株式会社荏原製作所様にインタビューを実施し、お話をお伺いいたしました。

株式会社荏原製作所様のご紹介

1912年にポンプメーカーとして創業以来、人、社会、環境の未来を考え続け、「ものづくり」を通じて社会に貢献してきました。現在は建築・産業、エネルギー、インフラ、環境、精密・電子の5つのカンパニーでお客さまのニーズに応えています。

 

<所在地>

〒144-8510 東京都大田区羽田旭町11-1

<コーポレートサイト>

https://www.ebara.co.jp/corporate/information/outline.html

 

今回は、精密・電子カンパニー 経営戦略統括部 人事部の長谷川様、高橋様、内山様にお話しをお伺いしました。

<プロフィール>

精密・電子カンパニー 経営戦略統括部 人事部 長谷川 憲氏                                                         精密・電子カンパニー 経営戦略統括部 人事部 高橋 友衣氏                                                         精密・電子カンパニー 経営戦略統括部 人事部 内山 佳奈美氏

 

まずは今ある戦力の把握から。人財データ可視化プロジェクトの発足へ

ー精密・電子カンパニー内で、人財データを可視化しようと思われた背景からお聞かせください。

長谷川氏:人的資本経営の実現を目指して人財育成ができる環境を作るには、現状を正しく把握した上で戦略を立てなければなりません。そのためには、今いる人財のデータを可視化し、各部門の人財アセットの状況を把握する必要があります。

今までは、従業員一人ひとりの研修実績やe-learningの受講データ、資格情報などを管理するシステムが一元管理されていませんでした。その結果、個人が自分のスキルや経験を全社の中で相対的に把握することも、管理職が自部門の人財アセットの状況を把握することもできませんでした。

そこで、研修実績や資格情報、過去の職歴、評価などを含む人事データを集約し、社員IDと紐付けて個人や自部門の可視化・一元管理をしようと考えました。

 

ー人財データの可視化により、達成されたいゴールは何でしょうか?

長谷川氏:一人ひとりの生産性の向上と、個々の能力や適性にマッチした配属です。また、自部門に欲しい人財を、実績や研修記録・資格情報から検索してスカウトする、他組織の人財と交流するなどの可能性も広がりそうだと考えています。

特に私が所属している精密・電子カンパニーは、業界的にも非常に変化が激しい部門です。その環境変化にも対応できるように、キャリア採用も積極的に取り入れています。実際に、カンパニー内には1,000名を超える社員が所属していますが、そのうち6割以上はキャリア採用です。社会変化や環境変化に耐えうる人的資本経営を実現すべく、人財データの集約・可視化を行い、人事戦略に活用していきたいと考えています。

 

 

ー人財データを可視化するツールは他にもありますが、なぜ Google の機能を選ばれたのですか?

長谷川氏:社内で浸透しているオンライン アプリケーションを活用することで、利用者が使いやすく、時間やコストをかけず効率的に導入でき、かつ権限設定が柔軟に対応できる点で選びました。

人財データ可視化のために新たなシステムを導入する場合、長い期間と大きな費用がかかります。加えて、導入後にデータの項目を増減したくても、システム会社に都度依頼しなくてはなりません。

既存のシステムの中で実現できないか…そう考えたとき、Google Workspace が思い浮かびました。弊社はもともとGoogle Workspace を導入しておりましたので、その環境を活かして「スプレッドシートをデータベースにして、それを可視化できないか」とストリートスマートさんに相談したところ、Google Workspace と連動性が高い Looker Studio をご提案いただき、導入に至りました。

費用を抑え、自分でコードを書かなくても可視化でき、グラフ化やCSV形式での保存もできる。スプレッドシートをデータベースにするため、元のデータが保存されているシステムが変更されても柔軟に対応できる。弊社が実現したいことは、Looker Studio で叶えられる、と思いました。

更新作業は月にたったの1時間。手厚いサポートで希望通りのツールを形にできた

ー 導入時の課題や苦労されたことはありますか?

長谷川氏:最初にあたった壁は、複数のシステムからデータを集約し一元化する作業でした。毎月更新するものだからこそ、できる限り短時間で生産性高く、誰でも作業できるようにしたいと考えていたのですが、「本当にそれができるだろうか……」と思うくらいに大変でしたね。

また「何を可視化すべきか」を決めることにも時間を要しました。グローバルでの展開や障がい者雇用の促進など人事施策を進める際には、実際にどんな方が何名働いていて離職率は何%なのか、などのデータが必要になります。これから必要になるであろう項目を打ち合わせの場で提示しディスカッションしていく中で、最終的に何を可視化するか、がなかなか決められませんでしたね。

 

ーデータ集約における課題は、どのような形で解決されましたか?

長谷川氏:定期的なデータ更新作業を「月1回・1時間以内」で完了させたい、と無理なお願い(笑)をさせていただいたら、ストリートスマートさんがデータの構成方法から更新作業をシンプルにする方法を考えて提案してくださいました。

その後も、プロジェクトを進めていくうちに「もっとこうしたい」という希望が出てきた際には、解決策を一緒に模索してくださり、おかげ様で希望通りの形にできたと感じています。

当初は研修実績や資格データだけを一元化する予定でしたが、人事データとしても活用していきたいと考えるようになり、各個人用のシートを作っていただきました。個人情報保護を維持する方法について悩んでいると、「Google アカウントに紐づいた本人のみ閲覧できる仕様」を提案してくださったんです。

その他、管理者ごとに閲覧できる人事データを分けてくださったり、企業ごとにカスタマイズされている Google Workspace の機能を使えるよう弊社情報システム部門にお願いすべきことを明確に指示してくださったり。弊社のセキュリティレベルに合わせた柔軟な対応にも大変助けてもらいました。

高橋氏:私も散らばるデータを集約する作業を手間に感じていましたが、進め方を丁寧に教えてくださり、ストリートスマートさんからアイディアをもらうたびにクリアになりました。これからは「どう説明すると社内で利用していただきやすいか」が課題になりそうです。

長谷川氏:ストリートスマートさんには人事データを収集し活用するベースを作っていただき、1ヶ月のサポート期間中にレクチャーしていただいたので、まずは人事部内で実際に使い、4月以降に組織の中でも活用していきたいと考えています。

Google Workspace なら、現場で必要なものを自分たちで作れる

ーこれから組織内での本導入が始まりますが、導入前後での変化はありそうですか?

長谷川氏:製造メーカーゆえ、今までは理系大学卒の方を多く募集・採用してきたのですが、人財データを可視化をしたところ、理系大学卒でなくても活躍されている方がたくさんいると分かり、驚きました。

今まで気づかなかったことや「こうかもしれない」という感覚で進めていたことが、根拠のあるデータとして可視化される。紙や Excel など複数のシステムから CSV形式で保存しなくても、Google Workspace ひとつで複数のデータを確認できる。制限のあるシステムの中でしか使えないわけではなく、欲しい情報を自由かつ気軽に組み合わせて可視化・分析できる。これで人事戦略・採用戦略を立て直せる、と確信しています。

内山氏:私は人財戦力を底上げをするための研修や教育企画を行うミッションを持っているのですが、Looker Studio を導入したことで、研修や育成が必要な人たちの解像度が格段に上がりました。育成が必要な人たちが、どんな属性で、今までどのような教育を受けてきたのか。一人ひとりに焦点を当てて可視化できるようになったことで、これまで以上に最適化された、有効な打ち手を打つことができるようになりました。

 

ー人的資本の流れが進んでいる今、どの企業も人事情報のデータ化には苦労されています。いち早くDX化を進めて現場で活かされている点は社会的意義も大いにありそうですね。

長谷川氏:情報システム部門が人事データを管理している企業は多いと思いますが、人事データの有効的な活用方法は担当者でなければ分かりません。Google Workspace の各種機能 は直感的に扱えてノーコードで誰でも使えるので、導入することで多くの企業の人事の方がデータを活用した戦略を立てられるのではないでしょうか。

高橋氏:最近、従業員が現場で必要なものを自分たちで作る「市民開発」も増えてきていますよね。必要なものを自分たちで作れる環境がDXの推進に役立ち、組織全体の変革を促進していく。Google Workspace はまさに、インフラそのものを作り上げてくれると感じています。

まるで“同じ会社のひとつのチーム”。全社で伴走してくれる姿に、ただただ感謝

ー弊社のサポートやフォロー体制はいかがでしたか?

長谷川氏:ストリートスマートさんにお願いしてよかったと思う一番の理由は「会社は違っても、チームとしてやっていける」と感じられたことです。

作りたいものが固まりきっていなくても一緒に考えてくださって、困ったときには「契約外」などと切り捨てることなく、フレキシブルに対応してくださいました。ストリートスマートさんの他のチームの方からご意見を伺えたこともありました。

専門的な知識をお持ちの方々の全面的なサポートと、ストリートスマートさん全社で我々に向き合い伴走してくださる姿に、今回お願いして良かったと心から思います。

内山氏:個人的には、会社の垣根を越えた Google Chat のスペース機能と、フレキシブルかつ、まるで同じオフィスで働いているかのような迅速なサポートに、衝撃を受けました。困ったときにスペースでメッセージをお送りすると、レクチャーのための時間をすぐに確保してくださったりもして。本当に仕事がしやすかったです。

高橋氏:私はデータをインポートする際に、大変お世話になりました。「分からないことがあればいつでもご連絡ください」と寄り添ってくださったおかげで、気軽に質問や相談ができましたし、次の打ち合わせのときに実際に手を動かして見せてくださったこともありました。

長谷川氏:たしかに、同じ部署の人と働いている感覚に近かったですね。あとは、今まで知らなかった機能を学べる機会も多く、Google Workspace を活用した働き方も非常に勉強になりました。

Google  Workspace は今後さらにアップデートされていくと思うので、現場で必要なものを我々が自分たちで作れないときには、ストリートスマートさんにまたご相談させていただきたいです。そして、そんな関係性をこれからも長く築いていけたらと思います。

あくまでも人財開発のための「ツール」。使い方次第で、組織と個人の可能性をさらに広げられる。

ーこれからどのように活用されていきますか?

長谷川氏:理想とする組織の実現と個人の自己実現の両方を目指すうえでの人財開発の「ツール」として活用していきたいです。コロナ禍でのリモートワークへの移行でコミュニケーションが減り、一人ひとりの強みやパーソナリティが見えづらくなったと感じています。

しかし、自分自身の今の状況や戦力含め、共に働く人財のデータを可視化できる Looker Studio を活用すると共に、今後のキャリアやビジョンを共有できる場を作ることで、組織やチーム、個人が現状に沿った戦略を立てられます。

今回導入したものは、システムではなく、あくまでも「ツール」。使い方次第で、組織と個人両方の可能性を、今よりもっと広げられるはずです。

 

今回は、Google Workspace の環境から様々なデータをリアルタイムに反映させたダッシュボードを作成できるLooker Studioを活用し、人財データの可視化を実現された荏原製作所様にお話をお伺いいたしました。本日のお話を参考に、より良いサービスをご提供できるよう努めてまいります。

 

※Google Workspace 、Looker Studio および Google Chat は、Google LLC の商標です。

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