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【社長インタビュー vol.3】上場をゴールにしない|その戦略の裏にある代表 松林の経営哲学。「選択と分散」による「戦わない経営」を目指して

【社長インタビュー vol.3】上場をゴールにしない|その戦略の裏にある代表 松林の経営哲学。「選択と分散」による「戦わない経営」を目指して

「テクノロジーと『人』をつなげる」をミッションに、企業や学校へのクラウドツールの導入・活用支援を行うストリートスマート。

創業期から事業拡大フェーズへと移行し、メンバーは50人を超える規模となりました。新たな成長ステージを機に、代表 松林の経営哲学と今後の事業構想、経営戦略について聞きました。

 

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「儲け」ではなく「人の役に立つ」ことを。目指すのは、緩やかな成長を持続させる「年輪経営」

ーストリートスマートが目指す「年輪経営」について教えてください。

 

松林:年輪経営とは、ある程度の規模に達した企業が、景気の波などの外部環境に左右されることなく、木の年輪のように毎年少しずつ、着実に成長を続けていこうとする経営哲学です。

売上・利益「だけ」を目的にしてしまうと、例えば数字が足りなかった時に、スタッフをリストラしたり、社会の役に立っていたとしても収益性が低い事業はストップしたりする必要があります。利益を一番の目的にするのではなく、あらゆる人を幸せにする健全な会社運営を目指し、ゆっくりでも右肩上がりの成長を続けていくことが、企業の永続や着実な社会貢献に繋がると考えています。

とはいえ、事業継続するために利益はもちろん重要ですから、今後は120%前後の成長を持続させていきたいと考えています。

ただ、以前は全く違う考え方をしていました。

学生時代に経営者の自伝を読み、サクセスストーリーに憧れて28歳で起業したのですが、最初は儲かればそれでいいと思っていました。「目的=利益を出すこと」と考えていたので、メロンパンや歯ブラシなど、売れそうだと思ったものを脈絡なく扱っていました。

ところが、利益のために事業をやっても、苦しいときに踏ん張れないんです。踏ん張れないから続きもしない。

結局、全てを失い、途方に暮れているとき、先輩経営者に助けていただきました。

「ご縁だから」の一言で窮地にいた私を救ってくれた先輩経営者は、いつもたくさんの人に囲まれていました。そんな先輩経営者の姿から学び、「『お金持ち』ではなく、『人持ち』になりたい」と思ったのが、考え方が変わったきっかけです。

ー「ご縁」を大切にするきっかけになった出来事だと思いますが、事業に対する考え方はどのように変わりましたか?

 

松林:その経験から、シンプルに、人や社会の役に立つことを目標に事業を続けています。

ストリートスマートでは利益率が低い事業も、社会貢献性が高ければ継続させています。人の役に立つことができていれば売上は後からついてくるものだと思っているので、社会にとって意義のある事業を続けていきたいです。

大切にしているのは、事業がストリートスマートに関係する全ての人の幸せに寄与できているか? という問いです。会社に関係する方の幸せを考えたとき、軸となるのは利益の多さや成長の速さだけではなく、会社の存在がお客様や社員を含めた全員にとってのメリットになっている状態なのか、という観点が重要になります。「三方良し」ならぬ「八方良し」の精神です。

この価値観を守るために、上場をゴールには考えていません。

 

ーなぜ上場をゴールにしないことが「会社に関わる人の幸せ」に繋がるのでしょうか?

 

松林:企業が上場を目指す理由は、基本的には株式の売買による資金調達を目的としています。ただ、そのやり方で資金を得ると、株主が納得する経営を行う必要が出てくるため、どうしても株主偏重となるケースが多く見受けられます。

そうすると何が起こるかというと、企業の成長に直結しない事業や成長についていけない人材は要らないという、企業の利益を最優先する価値観・風土が醸成されます。

もちろん、ベンチャー企業が上場することで、資金調達以外にも、信用力・知名度が向上して優秀な人材の獲得に繋がるなど、得られるメリットは多くあります。それでも、ストリートスマートでは、「会社は箱」にすぎず、「大切なのは人」だと考えています。

ストリートスマートに関わる全員がwin-winでいられる企業にしたい、そう考え、上場をゴールにはせず、今後も銀行からのデットファイナンスや、一部マイナー出資などで資金調達を行っていくつもりです。上場をゴールにはしませんが、管理体制は上場企業と同等レベルを目指します。

 

大切なのは「人」。人を守るための戦略となる「戦わない経営」

ー主にデッドファイナンスでの年輪経営を目指すにあたって、事業の中長期的な戦略を教えてください。

 

松林:銀行から借入をする場合、市場動向や経営状態・営業基盤・競合状態などの数字では表現しにくい「定性評価」の面もチェックされますが、その評価を上げていく必要があります。

方針としては、SaaSサービスの売上構成比を高め、ストック収益を増やすことで、売上の安定性を高めたいと思っています。

クラウドツールの導入・運用のサポートを、導入支援やレポーティング、管理コンソールの運用代行などのプロダクトに落とし込み、再現性を持たせることで、安定した収益に繋げられます。

具体的には、今提供している、組織の Google Workspace 活用力底上げをコンセプトとしたeラーニングサービス「Master Program」などのMasterシリーズの横展開を充実させていきたいですね。

これまでの知見を生かせる分野で積極的に新規事業・新規プロダクトを開発し、専門性を高めていくことで、「領域の選択・プロダクトの分散」を軸に事業を展開していきます。

領域は得意分野に絞りますが、提供サービスは1つに集中した単一売上ではなく、ニッチだけれど確実に課題があるところに対する複数の需要に応えることで、1つのサービスに社運を懸けて勝負する必要のない、「戦わない経営」ができます。学校向けサービスも、学校へのICT導入・活用支援から、書籍制作、個人向け教材プラットフォームの提供など、多角的に展開しています。全国の先生方が困っていること、助けを必要としているところにストリートスマートの支援を届け、結果的に全先生をサポートできているような状態に持っていきたいですね。

自分の人生にオーナーシップを。ストリートスマートは人に機会を提供する会社で在り続ける

ーストリートスマートという社名には、どんな思いが込められているのでしょうか?

 

松林:社名の「ストリートスマート」は、アカデミックスマートの対義語で、「どんな環境でも生き抜く知恵」という意味があります。

会社のメンバーには、ストリートスマートな人材になるべく、自由と責任を両立させ、自分の人生のオーナーシップを持ってほしいと思っています。

オーナーシップを持つということは実は難しいことです。能力や経験が足りず、傷つくこともあると思いますが、傷つきながらも乗り越えていける人が増えてほしい、そう考えています。

そういったメンバーが増えていくことで、会社としても、新しいものを生み出していくことにチャレンジし続ける会社でいられると思っています。

会社が機会を提供し、メンバーが挑戦し続ける。この流れを大切にしていきたいですね。

ー今の組織課題を教えてください。

 

松林:事業が成長し、サービスも多角化しているため、2年前から採用を強化しています。有難いことに、ストリートスマートのミッションに共感していただいて、現場メンバーは毎月増えています。現場メンバーが増えた分、マネジメント層も必要になっており、今後は部長層の採用にも力を入れていきたいと考えています。

今募集しているポジションには、事業部長候補やバックオフィス構築を担う責任者があります。もちろん、現場メンバーも、全事業部・部署で引き続き採用強化中です。

自身の裁量で責任を持ちながら事業を推進していきたい方、挑戦できる環境で仕事がしたい方など、ストリートスマートの経営理念に共感いただける方に参画いただきたいと思っています。

少しでも興味があれば、是非エントリーしてください。

私たちと一緒に、お客様や社員を含め、全員がwin-winになれる、幸せを生む事業を育てていきましょう。

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